閉鎖式薬剤移注システム
閉鎖式薬剤移注システムをどのように選べばいいのか、導入するメリットや選ぶポイント、また閉鎖式薬剤移注システムを扱っているメーカーをご紹介します。
閉鎖式薬剤移注システムメーカーをご紹介

トーショーの閉鎖式薬剤移注システムについて詳しく解説
トーショーのエクアシールドは、抗がん剤の調整に特化した専用のシリンジを使用した閉鎖式薬剤移注システム(CSTD)です。エクアシールドは薬事承認(クラスII)取得済みの安全性の高い閉鎖式薬剤移注システム(CSTD)です。
シリンジ、バイアルともさまざまな規格に対応
エクアシールドは、シリンジユニットは1mL~60mL、バイアルアダプタは13mm~32mmまで、さまざまな規格に対応しており、合わせて使用することができます。
コネクタの規格は4タイプあり、輸液ラインの先端に使用して使用するメスルアーロックコネクタ、三方活栓などに取り付けて、メスルアーロックコネクタやシリンジユニットに接続するオスルアーロックコネクタがあります。
また、導尿カテーテルに接続して、薬剤を閉鎖的に注入するカテーテルコネクタ、2本のシリンジユニットで薬液を閉鎖的に移送するシリンジシリンジコネクタがあります。
薬剤使用に関するさまざまな場面で被曝リスクを低減
持続注入ポンプへの抗がん剤注入、膀胱内注入療法時、TACE療法等での抗がん剤のシリンジ間移送時などに専用のコネクタを使用することで、作業時に医療者が被曝するリスクが低減します。
わかりやすく簡単な接続
バイアルアダプタは、カチッと2回音がするまで垂直に差し込みます。スパイクアダプタとシリンジユニットの接続時や、シリンジユニットとバイアルアダプタの接続時は、赤色のマークに合わせて接続するだけで簡単に使用することができるため、操作者による使用ミスが起こりにくく、操作の一貫性を持つことができる商品です。
高い安全性と密閉性
また、コネクターとシリンジ筒が一体型となっており、コネクターが脱落する危険性が少ないのも特徴です。接続面には密閉性が高いメンブレン方式を採用しているため、危険性の高い抗がん剤治療薬が高い安全性のもとで使用できます。
トーショーの閉鎖式薬剤移注システムについて
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BDの閉鎖式薬剤移注システムについて詳しく解説
BD ファシール™遮封式薬剤移注システムは「抗がん薬の曝露から医療従事者を守る」というコンセプトのもと、開発されたCSTDです。
バルーンタイプの差圧調整機構
薬剤の調製に使用するBD ファシール™プロテクタシリーズには、エクスパンションブラダという風船のような構造があります。このエクスパンションブラダは、バイアル内外の圧を調整し、バイアル内の空気を中に閉じ込めてためておく役目を担っています。
薬液を注入すると内圧がかかり、風船のように膨らみます。そして、薬液を注入したあとに薬液を吸うと風船がしぼんでいき、中の圧が調整されるシステムです。圧の調整が見た目ですぐにわかり、また、面倒な陰圧調製も不要なシステムとなっています。
機密性の高いメンブレン方式
また、ダブルメンブレン方式を採用しており、薬液が外部に漏れにくい構造となっています。このシステムにより、医療従事者への薬液曝露が少なくなり、また、BDファシールを用いて調整を行なった場合、168時間後でもバイアル内に微生物が発見されなかったという研究結果があります。

TERUMOの閉鎖式薬剤移注システムについて詳しく解説
ケモセーフロックは、閉鎖式の薬物移送システム(CSTD: Closed-System Drug Transfer Device)であり、容器の内外の圧を調整するシステムで、閉鎖式の薬物移送システム薬事承認(クラスII)を取得した製品です。
医療者への安全性を確保する機能
ケモセーフロックは、コネクターを接続すると、薬液が接続面に漏れないシステムとなっています。コネクターを分離すると、分離したと同時に接続面が閉鎖するシステムになっているため、接続面からの薬液曝露のリスクが低減されます。
また、調整器具は針刺し防止のため、金属針を使用しない、ニードルレスの機能を採用。そして、一度接続したら外れないスピニング機構となっており、接続部のゆるみや接続部が外れることによって薬液が飛散したり、漏出したりするのを防いでいるのです。
2つの差圧調整機能
差圧調整にはバルーン式とフィルター式の2つを採用しています。バルーン式は差圧調整を行うためのバルーンと一方弁を有する構造によって、視覚的に薬液採取が可能です。また、液体製剤でも、凍結乾燥製剤にも対応しています。フィルター式は、差圧調整を行うためのフィルターがあり、液体製剤でも、凍結乾燥製剤にも対応しています。
TERUMOの閉鎖式薬剤移注システムについて
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JMSの閉鎖式薬剤移注システムについて詳しく解説
JMSのネオシールド NEO SHIELDは、シンプルな構造で、安全性と効率性を考慮したシステムとなっております。
コネクタはシールド機構を採用
シールド機構を採用したコネクタを採用しており、高い閉鎖性があるためバイアル接続時に曝露するリスクが低減されます。シールド機構によって高い閉鎖性があるため、バイアルやバックアダプタ、トランスファーといった接続部から薬液暴露するリスクが少ないのが特徴です。コネクタは閉鎖式輸液システムプラネクタのコネクタ技術を採用しているため、閉鎖的な環境を維持したまま操作できます。
新発想の差圧調整機能
差圧調整機構を採用しており、シリンジから注入時はバイアルから薬液バッグに空気が移動し、薬液をバイアルから吸い上げるときはバックからバイアルに空気が移動するシステムとなっています。トランスファー接続部のサイドのボタン(パージボタン)で空気の流量を確保することができます。トランスファー内に空気路を確保することで、バイアル内の圧を等圧に保つことができるのです。

ニプロの閉鎖式薬剤移注システムについて詳しく解説
ニプロのUniTect®(ユニテクト)は閉鎖式薬物移送システムです。
ユニバーサルタイプのバイアルアダプタを採用
アダプタは複数の口径(13mm~32mmの口径に対応)に1種類で対応している、ユニバーサルタイプのバイアルアダプタを採用しています。また、粉末剤も液剤にも対応しています。
ワンタッチで簡単に接続可能
ワンタッチ接続でコネクタ同士を矢印に合わせてカチッと音が鳴るまで押し込むと簡単に接続でき、視覚的にもわかりやすいです。接続の解除はロック解除のレバーを押して引き抜くだけで簡単にできます。
操作の邪魔をしない差圧調整機能
差圧調整機能はバルーン式を採用しており、内部の薬液や空気の漏出を防止し、医療者の曝露リスクを低減しています。バルーンをハードカバーに内蔵していることで、安全性にも優れています。
また、バルーンがシリンジカバー側にあることで、操作時に邪魔することなく作業スペースが確保されるため、作業がしやすいのが特徴です。シリンジアダプター側にバルーンがあることで、廃棄時のコスト削減にもつながります。接続面はシリンジアダプターに内蔵された金属針と密閉性の高いゴム栓となっているため、高い安全性のもと、薬液を調整することができます。
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閉鎖式薬剤移注システムとは
抗がん剤をはじめとしたハザーダスドラッグ(HD)を取り扱う際は、薬液の飛び跳ねやエアロゾル、薬剤が漏出することによる医療従事者の被曝防止のため、閉鎖式薬剤移注システム(CSTD)の使用が推奨されています。閉鎖式薬剤移注システム(CSTD)は、薬剤を調製・投与する際に外部の汚染物質がシステム内に混入することを防ぐと同時に、液状あるいは気化/エアロゾル化したHDが外に漏れ出すことを防ぎます。
HD(ハザーダス・ドラッグ)とは、・遺伝毒性・発がん性・催奇形性・臓器毒性という4要素のうち、一つ以上を備えた医薬品を指す。医療従事者の曝露量は患者に比べると少量ですが、健康への有害な影響が確認されており細心の注意が必要です。
HDとハイリスク薬は似ているが、前者は医療従事者の安全性に視点を置き、後者は患者への安全性に配慮したものという違いがある。
閉鎖式薬剤移注システムを導入するメリット
閉鎖式薬剤移注システムは、今まで被曝リスクがありながら行っていたHDに関する作業を、被曝のリスクを抑えて簡単に行えるようサポートしてくれる器具のことです。
閉鎖式薬剤移注システムを導入することで、
- 医療従事者の被曝リスクが低減する
- 針刺し事故の危険性が少なくなる
- 高い安全性で調製・投与が行える
といったメリットがあります。
こんな悩みがあれば閉鎖式薬剤移注システムの導入がおすすめ
- 少ない被曝リスクで調製を行いたい
- より機密性の高い器具を使用したい
- 高い安全性で簡単なものを使用したい
- 作業者の経験による手技レベルの差を低減する
閉鎖式薬剤移注システムの選定ポイント
危険性の高い薬品を扱うため、器具の機密性の確保は重要なポイントです。また、操作者によってムラがないよう、同じように扱える操作性のものを選ぶことも大切です。