薬局業務のDX化が求められる背景
薬局業界がDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる背景はなぜなのか、薬局の今後について解説します。
薬局の現状
薬局では現在以下のような課題があります。
- 診療報酬改定による売り上げ減少
- 薬剤師の人手不足
- かかりつけ薬局として求められるものが多い
薬剤師としての業務は増えていますが、薬剤師の人手不足もあり、必要な業務を十分に行うことができていないという現状があります。今後はさまざまな業界でDX化が進みますが、薬剤師業界も例外ではありません。人にしかできないことはこれまで通り薬剤師が行い、AIが代用できるところは代用していかないと、患者へ必要な指導ができなくなってしまうのです。
「対物」から「対人」へシフト

厚生労働省は2015年に「患者のための薬局ビジョン」を公表し、その中でこれからの薬剤師の業務のあり方が「対物業務から対人業務へ」との方針を明確に示しました。
薬剤師の業務は従来、基本的に「物」を中心に扱っていましたが、2020年度の調剤報酬改定では薬局の「対物業務」から「対人業務」への構造的な転換を推進する方向になりました。そのため、薬剤師業務が対人へとシフトするように求められるようになっています。これまで対人業務に重きをおいていなかった薬局は、対人業務の研修などを行うことによって、方向転換を行うことになります。
薬局薬剤師業務へのAI導入
対物から対人へとシフトするためには、対物業務の改善や効率化が求められます。AIが薬局業務や薬剤師業務をどの程度担えるか考える必要があります。人にしかできない業務は薬剤師がしなければなりませんし、機械に任せられる業務は機械に任せて時間短縮を図る必要があります。
調剤業務の自動化
調剤業務の自動化のため、調剤機器を導入する薬局も増えています。これまで薬剤師が行ってきたピッキングや調剤、一包化などを自動化することで、薬剤師の負担を大幅に軽減することができます。機械が自動で調剤をしている間に患者対応をすることができ、待ち時間の短縮にもつながり、患者にとってもメリットがあります。
服薬指導にAIを活用
対人業務でもAIを活用できます。服薬指導は薬剤師が行う業務ですが、薬剤師ごとに経験の差があり、指導内容に差があるのが現状です。そこでAIを活用し、必要なデータや情報をデータベース化し、膨大な情報の中から必要な情報を確認できるシステムによって、提案された内容を元に一定の指導を行うことができます。
実際に活用している薬局もあり、いつもと違う患者の変化にAIが気付くケースもあり、サポートの品質向上にもつながっています。
対人業務へのシフトを求められている背景から、今後薬局業務のDX化はますます進むでしょう。そのためにこれから薬剤師としてどのように働くのか、どのような薬剤師が求められるのか、考えていかねばなりません。


